2015年、噴火警戒時の箱根山(c)朝日新聞社
2015年、噴火警戒時の箱根山(c)朝日新聞社

 1月23日に噴火した草津白根山。気象庁が注視していた場所とは別の火口からで、噴火速報も出なかった。昨年6月に噴火警戒レベルが1に引き下げられたばかりだった。

「噴火警戒レベルはあてにならない。下がったから大丈夫と思ってはいけない。2014年噴火の御嶽山は、直前まで警戒レベルは『1』(当時の定義は平常)。15年の口永良部島の新岳は、噴火してから警戒レベルを上げている」

 そう警鐘を鳴らすのは武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏だ。日本は111の活火山が存在する火山列島。次に危険な山はどこなのだろうか。

 島村氏は「噴火は前兆も確実なものはわからず、あくまで推測しかできない」としたうえで、可能性を示唆するのは富士山だ。

「マグマが増加して起こる山体膨張が、1985年から加速しているとみています。さらに富士山の真下深くで、低周波地震がずっと観測されている。マグマだまりに何らかの影響を与えているのは明らかです」

 琉球大学名誉教授の木村政昭氏も、近い将来の富士山噴火を指摘する。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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