大相撲の元横綱・日馬富士による暴行事件で、日本相撲協会は4日、両国国技館で臨時評議員会を開き、昨年10月の巡業中に起きた暴行事件の報告を巡業部長でありながら怠った貴乃花親方(元横綱)の理事解任を決めた。池坊保子議長(元副文部科学相)が同日午後、記者会見で発表したが、理事の解任は初めてだという。
貴乃花親方側の親方はこういう。
「今日の臨時評議会に一縷の望みはあったが、ダメでした。腹が立つよ、本当にひどい話だ。加害者の伊勢ケ浜親方は、自ら理事を辞任。こちらは、被害者なのに理事降格。おまけに伊勢ヶ浜親方も次の理事選に出るっていうんだろう。
会見で『考えられない行為』と断罪されたが、協会こそがおかしい。こちらは、貴乃花一門で2人を出したい。そこで執行部と勝負だ。伊勢ケ浜親方も落選させて、リベンジだ。そのために貴乃花一門、それにほかにいる貴乃花親方シンパと力を合わせて執行部と戦いますよ。血みどろの争いになるよ。もうすさまじい多数派工作がはじまっていますよ」
年末の理事会が終わり、理事降格と決まった後、協会執行部の幹部が「次の理事選は出れるから」と貴乃花親方に耳打ちし、「次も理事になったら、こういう騒ぎにならないように」と忠告したという。
「貴ノ岩は初場所もこの調子じゃあ、休場でしょう。貴乃花親方は仲間うちでも愚痴めいたことを言わないが、次の理事選で勝負つけてやると闘志を燃やしているはず」(前出の親方)
一方、反貴乃花の親方は対照的だ。
「もう疲れたよ。貴乃花親方に振り回されるのは。次の理事選はあるが、これで一段落でしょう。貴乃花親方は次の理事選には出れるが、出馬を思いとどまってほしいと思いますね。もめるのは、とにかく貴乃花親方絡みなんですよね。理事降格でよくすんだものですよ。降格でも不満だという声もかなり協会内部でもありますよ」
角界の波乱はまだまだ続きそうだ。
※週刊朝日オンライン限定記事