枝野:野党が諦めたような姿を見せると国民も諦めてしまうので、そこは粘り強く徹底してやります。もう一つは、これは税金の無駄遣いであり、いわば生活に直結する話なので、国民の皆さんが自分の問題として考えやすいテーマです。これからの確定申告の時期に向けて、今までと違った広がりになる可能性があると思います。

田原:今、野党の論点がバラバラだと言われています。立憲民主党や共産党は共謀罪を廃止しろと主張していますが、希望の党や日本維新の会は乗ってこない。これはどう考えますか。

枝野:何がいけないのかと思いますよ。あらゆることで野党がまとまれるなら一つの党になっているわけで、意見が違うから党が違うわけです。反省を込めて言うと、民主党、民進党の時代は党内での意見の違いをなんとか一つにまとめていたので、国民から見たらはっきりしなかった。今は違いがはっきりしてわかりやすくなったと、ポジティブにとらえています。

田原:ただ、世の中にはバラバラではなく野党再編したほうがいいという意見がある。希望の党と立憲民主党が一緒になるべきだという意見はどうですか。

枝野:確かに、選挙のことを考えたら戦略的には自民党の対抗馬となる候補者を一本化したほうがいいし、最大限努力すべきです。でも、それと政党が一つになる話は全然意味が違う。考え方が違うんだから、違った姿をちゃんと見せるという潔さが今は求められていると思います。無理やり一つになれば期待が集まるというのは、幻想です。

田原:今は再編なんかは急がない、と。

枝野:もちろん、選挙のどさくさで違う党に行ってしまったけれど、立憲の理念や政策こそが自分に近い、という個人の方が入ってきていただくのは大歓迎です。希望の党の人が、枝野は入れてくれないんじゃないかと勘違いしているようなので(笑)。党と党の合併についてはそう言いましたが、個人はウェルカムです。

田原:立憲民主党の支持率は朝日新聞の12月中旬の世論調査では9%で、他の野党が5%以下に低迷する中、最も期待を集めていますね。何が支持率につながっているんだろう。

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自民党は何がまっとうではない?