捨てやすくなる理由を見つけることも有効だ。キッチンの場合、同じサイズの鍋が複数あれば、「一つで十分」と考える。クローゼットに黒いズボンが6本あると、「3本で足りる」と理由をつける。ただし、捨ててから後悔しないように「必要かどうか3秒悩んだらとっておきましょう」(同)。その際、1年だけ保管する箱を用意する。そして1年後、その箱に入った状態であれば、「不要」と認定しやすい。

 片づける順番にも工夫が施される。まずは、よく使う場所からスタートさせる。たとえばキッチン→リビング→洗面所→寝室→納戸・押し入れといった順番だ。そして書類など時間がかかり気力が落ちるような作業に入る。思い出の品は最後に。「何箱もある子どもの作品」など、しみじみと懐古し始めると、時間がいくらあっても足りない。早ければ2日計10時間で済むが、中には1年がかりの例もある。伊藤さんによると、1.すべて出して2.それを分別して減らし3.収める、のパターン習得がカギだという。

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