日産の新型EV「リーフ」(c)朝日新聞社
日産の新型EV「リーフ」(c)朝日新聞社

 日本の自動車業界の危機が迫っている。トヨタはEV化に出遅れ、戦略的に動く中国の猛追を危惧しているが、日産、ホンダも問題を抱えている。ジャーナリストの井上久男氏が、その実態に迫る。

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 日産自動車は着々と拡大戦略を進めている。日産・ルノー・三菱自動車の3社連合の中期経営計画「アライアンス2022」を発表、グローバル販売台数を22年までに1400万台に増やすことや、運転手のいない完全自動運転車を投入する野心的な考えを表明した。

 カルロス・ゴーン氏は今春、日産社長兼CEOを退任し、日産と三菱の会長、ルノーの社長兼会長を兼任した。3社連合の中長期の戦略を練る仕事に集中し、社内では「アライアンス(連合)会長」と呼ばれる。

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