今後、ゴーン氏の責任を問う声も出てくる可能性があるという。業界大変革の時代に、「内紛含み」では着実な戦略の実行はおぼつかないのではないか。

「日本のビッグスリー」のもう一社、ホンダも安泰ではない。10月4日、年25万台の生産能力がある狭山工場を21年度をめどに閉鎖し、寄居工場に移管すると発表した。国内の生産能力の約2割を削減し、グローバルで過剰な生産能力を解消するねらいだ。「グローバル相互補完体制」も強化。日本で復活させた「シビック」は、5ドアのハッチバックタイプを英国工場で生産して日米に輸出している。

 グローバル化を進めているとはいえ、ホンダの八郷隆弘社長には「技術の中心は日本」といった考えがある。集約した寄居工場で、EVの新たな生産手法開発などを計画している。

 むしろ、ホンダの危機は「開発力の低下」にある。

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