――でもブレークしたのは、スキンヘッドにしてから。

 そう、だから今振り返れば、当時うまくいってなかったのは、単純に面白くなかっただけ。頭の問題なんかじゃなかった。その頃は、「うまくいかないことを薄毛のせいにする」という思考の癖がついてしまってたんです。これ、薄毛の人にはよくあることなんじゃないかな。でも、本当は薄毛だけじゃない。何より、そんな考えを続けていたら、楽しくないですよ。

――克服法は?

 僕はスキンヘッドという手段を選んだ。気持ちが楽になって、いろんな意味で吹っ切れました。でも、僕が思うに、スキンヘッドってある種、「逃げのハゲ」なんですよ。中途半端に髪を残して、スカスカになるのが嫌で、全部そったというのもあります。

――ならば、攻めのハゲもある? 

 トレンディエンジェルの斎藤。あれは「攻めのハゲ」です。だって、髪の毛スカスカの、ハゲそのままの状態を出してますから。「ハゲを楽しく、ポップにしたい」っていう斎藤の言葉を聞いて、こいつはすごいな、本物だなと思いました。僕も髪の毛を剃らずに生やしたら、たぶん斉藤くらいの量はある。でも、あれはなかなかできないです。

――攻めのハゲはハードルが高そう……。

 ただ、大事なのは、その状態で自分が前向きになれるかどうか。だから“逃げ”でも“攻め”でも、自分がよければどっちでもいいんです。気持ちの持ちようが大切ですから。
――薄毛を隠す男性からは、「人の目が気になる」という声も多い。

 うん、それは分かりますよ。例えば、ハゲてる人をどこかで見下している人っていますよね。薄毛の人に言いたい。大丈夫、見た目を過剰に気にする人に、大した奴はいない!僕からすれば、そういう奴こそ、見た目をとにかく気にするタイプで、中身がない。だから「お前はハゲてないだけで、他に何を持ってるんや」って思いますね。僕が売れてない時に、「お前は面白いけど花がない」って言ってきた芸人と同じ考え方。つまり“見た目至上主義”で、中身がない。実際、それを言ってきた人で、その後売れた芸人って一人もいないんです。

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小峠さんの「モテテクニック」とは?