「うまくいかないことを薄毛のせいにしては人生つまらない」と語るバイきんぐの小峠英二さん(撮影/松岡かすみ)
「うまくいかないことを薄毛のせいにしては人生つまらない」と語るバイきんぐの小峠英二さん(撮影/松岡かすみ)

 薄毛と言えば、男性にとって永遠の悩みの一つ。「ハゲ=非モテ」と思い込んでいる男性は多いが、「僕は、ハゲで良いことの方が増えましたよ」と断言するのは、スキンヘッドがトレードマークの“モテ芸人”お笑いタレント・バイきんぐの小峠英二さん(41)だ。ハツラツと“薄毛ライフ”を謳歌する小峠さんに、その極意を聞いた。

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――いつから頭部が寂しくなってきたのか

 24歳頃から日に日に髪が薄くなってきて、30歳で頭の4割くらいがハゲてしまったんですよ。おやじも兄も親せきも、みーんな薄いから、これはもう遺伝ですね。

――当初から薄毛もハゲも気にならなかった?

 そりゃその頃は、めちゃめちゃ気にしてましたよ。朝と晩に10分ずつ、育毛剤を髪に振る「育毛タイム」を設けて、必死に髪を生やそうとしていました。それを6年間続けたけど、手応えはなかった。だから「もうやってもムダだ」って思ったんです。

――そのころの心境を具体的に教えてほしい

 僕、ブレークしたのが36歳なんです。それまで芽が出ずに、結構しんどい時期が長かった。お笑いのライブに来るお客さんは女性が多いし、やっぱり見た目が分かりやすくカッコ良い方が人気が出やすい。だから薄毛の芸人仲間と、「ハゲって本気できついな」って、真剣に話していました。

――ネタのようにも聞こえてしまうが……。

 これ、ものすごい真剣な会話ですよ! 薄毛仲間と「もし今、髪の毛がみるみる生えてくる薬が手に入るなら、いくらまで出すか」って話になったことがあります。その時、アルバイトで生計を立てていた僕の収入は、月10万円。その金額をもとに、考えに考えて出したリアルな金額が、300万円でした。当時の僕の収入にしたら、約3年分。これで髪が生えたら仕事が増える、そうすれば300万円も返せるって思った。当時同じくらいの収入だった薄毛仲間は、900万円出すって言ってました。それくらい、本気で悩んでいた時期がありました。

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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