趣味にしても仕事にしても、“マスター”とまではなかなか……。本当は「映画」と言いたいですが、まだ言えません。インターネットの検索くらいでしょうか(笑)。
──ご自分の名前を検索する、なんてことも?
そういうこともあります。周りからどう思われているか知ることは、自分の仕事の一つだと思っています。それがすべてではありませんが。悪く書かれているものを見て、闘志を燃やしたり。「見返してやるぞ」みたいな(笑)。
──2003年に俳優デビューされてから14年以上。演技に対する思いに変化はありますか?
責任感が強くなりました。以前は役者の仕事は人の人生を表現することだと思っていましたが、今はそれだけじゃなく、時代の痛みや苦しみを代弁しなくてはならないと思っています。自分について知ることはもちろんですが、大勢の人と交流して、人の痛みについて知らなくてはならない。社会的、世界的な問題について勉強しなくてはならない。その気持ちはますます強まっていて、使命感を感じるようになっています。そのなかで、見てくださる方に共感や癒やしを届けていけたらと思います。
──ドンウォンさん自身の癒やしは、どこにありますか?
自分なりに楽しんでいますよ(笑)。メンタルは強いほうですから。
──現在36歳、結婚を意識されることはありますか?
結婚できるかどうかわからないですよね。実は子どもの頃、両親に「僕は結婚しないよ」と言っていたんです。そのときは両親に「大きくなったらどうなるかわからないよ」と言われましたが、いまだに自分でもわかりません。
──まだまだ仕事に夢中ですか?
そうですね。停滞しそうになっても、すぐに新しい刺激や課題が見つかる。退屈することがありません。
──18年の予定は、すでに決まっていますか?
「1987」「ゴールデンスランバー」「人狼」(※すべて原題)の3作の公開が決まっていて、「人狼」は撮影中です。さらに3、4本、相談中の作品もあって、うまく進めばいいなと思っています。
──忙しすぎないですか?
忙しいですね。もしかしたら来年は、これまでで一番忙しくなるかもしれません。
──最後に、日本のファンにひと言。
皆さんにはいつも感謝しています。常に「観客の皆さんにいいものを届けたい」という思いで仕事をしていますから、これからも期待と注目を寄せていただけるとうれしいです。それが僕の力になりますから。
(取材・構成/本誌・野村美絵)
※週刊朝日 2017年11月24日号