肉や天ぷら、脂肪が多い食事となると、その逆となる。「有用菌が食べ残し、栄養分いっぱいの脂肪などが有害菌の『集落』に行き着き、食べてしまうのです」(上符院長)。そうなると、インドールやスカトールという硫黄を含んだ異常なガスを発酵し、黒くて酸性と化した便が出る。それが続くと、大腸炎症、果てには大腸がんとなる。

 また、腸のトラブルは消化器官のみにとどまらない。腸はストレスを受けやすい臓器で、感情にコントロールされやすい。そうすると、脳がその原因を抑止しようとして、腸のコントロールを試みる。ところが脳は腸に対し、直接働きかけられない。そこで副腎に指令を出し、消化管にホルモンを送り込みながら、血圧を上げたり、血糖値を下げたりする。だが、送り込むことが過剰になると、「副腎疲労」を起こす。

「副腎は腎臓の上にある小さな臓器ですが、『マザーホルモン』とも言うべき、DHEAをつくり出す重要な臓器」と、上符院長は説明する。そのDHEAとは、免疫をつくるほか、記憶力、男性であれば精子の数、女性であれば妊娠に関わり、そのほか、ストレスを打ち消す作用もある。副腎が疲労すると、DHEAの製造が間に合わなくなるというのだ。

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