中学受験の勉強は、親のサポートが欠かせないと言われています。とはいえ、勉強をすべて親がみるのはとても難しいこと。今回は、自律神経の不調から不登校になった娘に、自宅で勉強を教えて“二人三脚”で中学受験に挑んだ、父と娘のエピソードをご紹介します。
このエピソードをマンガで読む(全42枚)まさかうちの子が不登校になるなんて
Hちゃん(現在中学2年生)は、バレエや読書が大好きな女の子。小学校時代は、クラスのなかで賑やかなタイプではなかったけれど、しっかり者でリーダーとしてグループをまとめることもある子でした。健康面も良好で、学校を休むことはそれまでほとんどありませんでした。
そんなHちゃんが学校への行き渋りを始めたのは小5の夏休みを過ぎたころ。朝、どうしてもうまく起きられず、学校への遅刻や欠席が続きました。Hちゃんのお父さんはこう振り返ります。
「最初はクラスメイトとのトラブルが頭に浮かびましたが、娘の話や様子からも別の原因があるように感じました。そういえば夏休み中も少し体調が悪そうだったので、妻と相談し、病院を受診することにしたのです」
検査の結果、「起立性調節障害」だと診断されました。起立性調節障害とは、思春期前後の小学校高学年~中学生に起こりやすい病気で、自律神経の働きが悪くなることで、脳への血流が低下してしまうもの。「朝起きられない」のは、これが原因だったのです。
ご夫婦にとって青天の霹靂(へきれき)ではありましたが、まずは無理に学校に行かせないこと、そして生活面はお母さん、学習面ではお父さんが中心となってサポートしていくことに決めました。
お父さんが娘の学習を全面サポート
Hちゃんの自宅学習サポートを引き受けたお父さん。実は学生時代に家庭教師のアルバイト経験があり、勉強を教えることには人より自信がありました。小学校の授業に遅れないように、また、Hちゃんが得意な国語に関してはより伸ばせるように市販の教材を使うなどして学習を進めました。この生活が4カ月ほど続いた小5の12月ころ、Hちゃんから意外な言葉が飛び出します。
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