「最高レベルの警護態勢で、大統領が2人続けざまに来たようなもの。イバンカ氏は初来日で情報が何もない。習慣の朝のジョギングをしたいと言いだしたら警護はどうするのか、和食好きだというが生もので体調を崩しては大変だとか、関係者は右往左往していた」

 だが、一介の大統領補佐官をここまで厚遇する外交には違和感もよぎる。前出の春名氏が次のように語る。

「安倍夫妻が会食するのは『私的な接待』という説明がかろうじて成り立つとしても、閣僚が会談するのは明らかにおかしい。外相が会うのは普通、同格である相手国の外相です。全体的に米国を持ち上げすぎで、対等であるべき外交関係の均衡が崩れている。国際社会から日本が見くびられることにつながりかねません」

 イバンカ氏は7日まで滞在する当初の予定を変更し、4日には帰国。「米国がアジアにあまり関心がない証拠」(外務省関係者)との声も。閣僚あげてのイバンカ詣では、足元を見られてはいまいか。(本誌・小泉耕平)

週刊朝日2017年11月17日号