「夢ってね、でっかくて、誰もが実現なんて無理だって思うようなものほど、案外実現するものなんですよ。“有名になりたい”なんて言っても誰も応援してくれないけど、“世界のスーパースターになる!”って言ったら、その夢に参加しておこうかな、せっかくだから応援に回ろうかなって思う人が出てくるかもしれない。人間、一人では何もできないんです。どんな小さなことでも、出会いがあって、そこから何かが広がっていく」
萩本欽一さんは何事も、遠回りするのが好きなのだという。2015年には、73歳で大学に進学した。願書を提出し、「無理なさらなくても、推薦という方法もありますが」と大学側から打診されたときは、「僕は、学校に入りたいから受験するんじゃない。挑戦がしたいだけなんです」と突っぱねた。
「1年目は、すべての授業に休まず出席して、試験だけ受けなかったの。何でかっていうと、真面目で勉強ができる学生では、先生は安心しちゃって真剣に向き合ってくれないから」
教授から、「試験は受けなくても、出席態度が真面目だから、単位はあげます」と言われたときは、「甘やかさないでください!」と断った。