そんな萩本さんの“モノ作り”への姿勢を克明にあぶり出した映画が誕生した。「We Love Television?」は、日本テレビプロデューサーの土屋敏男さんが、番組制作を口実に萩本さんに密着したドキュメンタリーだ。

「映画を撮っているなんて何も知らされてなくて、ポスター撮りの日に突然、『映画ができました』って。だから、自分の映画なのに、観てもいないし、観たくもないんだ(苦笑)」

 映画の中で、「視聴者っていうのはさ、“安定”が見たいんじゃない。創り手の“エネルギー”が見たいんだよ」と語っていた萩本さんは、76歳にしてなお、エネルギーの塊だ。(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日  2017年11月10日号