中森明菜のデビューは82年。小泉今日子や松本伊代、早見優や堀ちえみらが同期で「花の82年組」と呼ばれることもある。80年代の角川映画を代表する女優のひとり、原田知世も同年デビューだ。

「80年代前半のアイドルブームでは、明菜さんや小泉さんなど歌手出身の人と、原田さんや薬師丸ひろ子さんといった角川映画出身の人が両輪のようにヒット曲を出した。明菜さんが両輪の一方である角川映画の世界を歌うというのは、とても面白い。ユーミンや来生たかおさんが作った角川映画の曲を聞けば、時代や作品が頭に浮かぶ。80年代の象徴の一人でもある明菜さんが歌うのは、あのとき青春を送っていた世代にとっては特に感慨深いものがあると思いますね」(中森さん)

 中森さんは、40~50代の女性がいま一番元気ではないかという。

「80年代に輝いていたアイドルは、その世代にとって特別の存在。今の社会の中核層にとって特別な形で心に響くのではないでしょうか」

 明菜の歌う80年代の世界。まずは音源解禁を待ちたい。(本誌・亀井洋志、上田耕司、直木詩帆、太田サトル/岸本貞司)

週刊朝日 2017年9月22日号