「ジブチからパリに向けて飛び立つ際に、コンピューターシステムでフォルトランプ(警告ランプ)が点灯したのです。複数あるシステムの1カ所だけの不具合ですから、飛行じたいに影響はありません。もともと1機は予備機でしたので、現地の判断でジブチに戻りました。もう1機は問題なくショーに展示され、マクロン大統領も見に来て盛況のなか評価されています」(航空機事業監理官)

 今年3月、日仏首脳会談で安倍首相は今回の国際航空ショーへのP1派遣に言及。防衛装備品の輸出緩和から、大型武器売り込みのためのアピールも念頭にあったのだろう。

「オーストラリアへの潜水艦の受注競争で敗れ、飛行艇もインドに輸出しようとして結局、不調に終わった。今度は哨戒機と、思いつきばかり。国内の航空産業の振興をいかに推進するかという国家戦略もない。“売り込み”は官邸の最高レベルのご意向と聞いていますが、現場の部隊にとってはいい迷惑です」(清谷氏)

週刊朝日  2017年7月14日号