民進系の東京改革議員団は「公用車は移動中であっても重要な連絡が可能であること」が利点として、次のように回答した。

「公用車は公務に限り、必要最小限にとどめるべき」

 公用車がすべて予約で埋まっている場合、議会局は希望する議員に別途ハイヤーを手配している。ハイヤーの使用記録をもとにランキングを作成したのが表である。公用車ランキングでも上位につけながら、ハイヤー利用で断トツだったのが、都議団自民党元幹事長の三宅茂樹氏。三宅氏は本誌記者の直撃に対して「ちゃんとアポイントを取って」と答え、後日、ファクスで次のように回答した。

「都議の仕事は24時間休みなしと思っています。都民・区民の皆様からのお声にはすぐ対応しなくてはなりません」

 海外視察のため、ハイヤーで自宅と成田空港を往復した都議は15年度で10人いた。都内西部の町田市選出の民進系の今村路加氏(改革)が最も高額だった。往復で約230キロ乗車して、料金は実に14万円。今村氏はこう回答した。

「公務に伴う利用であり、ご理解ください」

 都民ファーストの上田令子氏は、自身も公用車の使用実態を調査してきた。

「タクシー代わりに好き放題使う人がいる一方で、同じベテラン都議でもまったく使わない人もいます。使用頻度の多い人は、特権意識が問題意識を上回っているのでは。各自治体や警察・消防の式典や行事、管内視察などを含めてもこれほど公務が多いとは思えない。選挙応援や支持者との会合など政務にも及んでいる可能性もあります」

 元都庁職員で中央大学教授の佐々木信夫氏(行政学)もこう指摘する。

「各会派の幹事長に公用車をつけていること自体、疑問です。都議会の公職ではないからです。政党絡みで使われる割合が相当高い気がします。プリペイドカードなどに代えて月何回までと会派ごとに決めて割り当てるとか、経費削減の施策はあると思います」

 小池都政となり、都議会は議員報酬を2割削減し、都議の年収は1372万円(4月からの1年間の特例)に下がったが、全国的にみれば、まだまだ高水準のままだ。

 議員報酬とは別に支給される政務活動費も小池都政下で1人当たり月額60万円から50万円に減額された。はたして、野放図な使用状況となっている公用車にも、切り込むことができるか。(本誌取材班=亀井洋志、村上新太郎、小泉耕平、上田耕)

週刊朝日 2017年6月30日号