妻:銀行と女子アナウンサーと、芸能事務所のマネジャー募集を受けまして。

夫:また極端な……(笑)。

妻:銀行と女子アナは書類でさっさと落ちた。ホリプロだけは、残ったんです。

夫:おお。

妻:同時期にホリプロで「お笑いリポーターオーディション」っていうのがあって、そっちも受けた。

夫:受かった?

妻:うん。それで、事務所の芸人たちの「ネタ見せ」を見学して、相方(くわばたりえ)と出会ったんです。

――妻とは対照的に、夫の幼少期は「やんちゃ」。悪さばかりしていたという。

夫:5歳のとき、探検気分で近所の女子校の食堂に友達と忍び込んで、ロースハム、盗み食いした。

妻:大胆な!

夫:当然、親にバレて。正座ですよ。1メートルぐらいの物差しでぴしっ、と。

妻:厳しいご両親やって言ってたもんね。

夫:でもね、おやじは自営業で建物を建てる仕事をしてて、筋を大切にする人だった。問題があれば「なぜなのか」を考える。だから、子供に対しても頭ごなしに叱るより、「なぜ」を大事にしてましたね。

妻:いいお父さんじゃない。

夫:よく叱られたのは母親かな。ヒステリックに怒る人で。そうなると、こっちは逃げ出したくなる。

妻:で、悪いまんま大きくなった?

夫:大きくなれば、「悪いこと」だと承知で暴れてたね。まあ、主にけんか。人が悪さするの、見てるの悔しいでしょ。だったら真っ先にやってやる!って。

妻:あー。

夫:まあ、単にええかっこしいだったんですよ。

――その後、妻はお笑いコンビを組んで芸能界で、夫は野球の世界でそれぞれ活躍。そんな二人が出会って……。

妻:たまたま、私も彼も仕事で関西にいるときに連絡して「お食事行きましょう」って。最初は飲み屋の「ママ」の営業でしたけど。

夫:焼き肉食べに行って。

妻:VネックのTシャツの胸元から、胸毛が出てた。

夫:そんなとこ見てたの?

妻:牛タンが出てきたら、「焼く?」って聞くんですよ。彼、私の分を網の上に置いて、自分の分は生のまま口に入れたの!

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