■国の危機を救った屈指の厄除け神社


【石清水八幡宮】パナソニック創業者・松下幸之助
 元寇のときに石清水八幡宮から大きな矢が襲い掛かり、元軍を退けたともいわれるなど、国を揺るがす一大事を平定した故事が残る。源頼朝や織田信長、豊臣秀吉などの天下人の崇敬を集め、松下幸之助も篤く信仰した。エジソンの白熱電球は石清水八幡宮の八幡・男山の竹を使って成功。厄除け開運、そして学問の神様として崇拝される。

■三菱グループを守り繁栄を支える
【土佐稲荷神社】三菱グループ創始者・岩崎弥太郎
 大阪市西区にあり、土佐藩主・山内豊隆が社殿を造営。その後、明治になって岩崎弥太郎に譲られた。弥太郎はここで事業を起こし、三菱発祥の地となる。弥太郎は三菱の本社を東京に移した後も、ここだけは手放さず、土佐稲荷神社を三菱の守護神とし、篤く信奉した。弥太郎や三菱グループの繁栄にあやかろうと多くの参拝者が訪れている。

■真田一族を守る白山大権現
【山家神社】信濃上田藩初代藩主・真田信之
 長野県上田市の郊外にある真田の郷に鎮座する山家神社は、白山大権現を祀る真田氏の氏神様である。山家神社は上田城の北東、つまり鬼門の位置にあり、上田城と城下町を守っている。境内には真田一族を祀る真田神社があり、ここに参拝すると家康を2度撃退した真田幸村をはじめとした真田一族の勝運にあやかることができるとされる。

■安倍一族が信奉 奥州安倍氏の祖
【磐神社】安倍晋三首相の父・晋太郎
 岩手県奥州市にある磐神社は、本殿がなく、男石と呼ばれる大きな石をご神体とする。ここは安倍氏の守護神とされ、安倍一族はここに祀られる荒覇吐(アラハバキ)神を崇拝していた。磐神社は近くにある女石神社と二つで一つのような関係で、陰と陽の一対の神として崇められている。安倍晋三首相は、この神社に必勝祈願をした。(本誌・鮎川哲也)

週刊朝日  2017年1月20日号