──東日本大震災の救援活動「トモダチ作戦」に参加し“被ばく”した元米兵支援に取り組み、基金を設立した。

小泉:寄付金はすでに目標の1億円を超えました。11月16日にも全国経営者団体連合会主催の講演会をやる準備を進めている。人間はね、考えが変わるんですよ。首相のとき、原発推進していたではないかと批判を受けるが、今は反省している。引退してしばらくゆっくりしようと思っていたが、このようになるとは夢にも思っていなかったね。俺、何やっているんだろうと時々、思ったこともあった。でもトモダチ作戦に参加した元米兵が苦しんでいることを知って、何かできることをしなければという思いでやっている。自分でもわからないよ。人間なんて不思議なもんだねえ。

──かつての郵政民営化に執着したような感じですね。

小泉:原発は大きな問題です。今まで日本は資源を外国に依存してきた。だけども、自然エネは自然の恵みで成長を図っていく夢のある事業だと思う。政治家は率先してやるべきだ。歴史の大転換期です。日本とドイツが原発ゼロで成長していけば、世界の産業構造が変わる可能性がある。

──最近の本や鳥取の地震など、日本は歴史的にも地震大国と証明された。

小泉:政府は地震や津波に対し、これ以上の安全対策は必要ないとしていたときに福島の事故が起きた。事故調査委員会の結論は天災でなく、人災だった。そういう想定をして、安全対策をしなかったのは人間だった。経営者は利益第一。だから事故が起きたと、事故調査委は結論を出した。天災なんて起こるはずがないと思うと起こる。今後、脱原発を争点にして、政権を取れるチャンスを野党がうかがうか。これがカギだ。私の郵政解散も非常識だった。参院で否決されて、衆院解散なんて意味ないじゃないかと言われた。反対論者から批判されたが、選挙勝ったら、ころっと変わった。原発もそうなります。

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