──民進党は2030年代の原発ゼロを主張しているが、蓮舫・野田執行部は脱原発の発信が乏しい。

小泉:連合の票を欲しがって、大事な決定ができない。新潟で示された原発に対する民意をどう生かしていくかという戦略が民進党にはない。一体、何を考えているのか疑問だ。ふがいないね。原発賛成の票はいらないという覚悟が必要なんだ。連合の票欲しさで圧倒的に多い国民の票を逃がしている。共産党アレルギーもあるようだが、ずっと野党でいいと思っているのかね。民進党が本当に原発ゼロを主張して、野党共闘ができたら、野党が勝つよ。民進党がふがいないから自民党は助かっている。彼らには原発を政局にしようという意欲がないもの。

──小泉さんの国民運動が実り、おもしろくなった。

小泉:私が最初、細川護煕元首相が出馬した都知事選を応援したとき、原発は選挙の争点にならない、小泉は終わりだとも言われた。でも、怯まなかった。いつか国民はわかってくれると。すると、鹿児島、新潟県知事選で勝ち、ひっくり返ってきた。次の衆院選で原発再稼働賛成を訴える候補と原発ゼロを訴える候補の対決になれば、各地で激戦となるよ。これだけの論点は日本にない。原発を維持するのか、自然エネルギーに変えるか。これを争点にしたら、郵政民営化を問うた郵政選挙(05年)どころじゃなくなるよ。

──現職の首相だったら、脱原発で信を問いますか?

小泉:問いますね。安倍首相が原発ゼロを大義に掲げれば、経済産業省や資源エネルギー庁、自民党も絶対、反対できない。もったいない。

──加藤紘一元幹事長の葬儀(9月15日)の場で安倍首相と会われ、原発ゼロを主張されたとか。

小泉:安倍さんは苦笑して聞いていただけですよ。官邸は原発が必要だと思っているんですよ。野党が衆院選の争点にすれば、なぜ原発が必要なのか、今までの安全神話の崩壊、核兵器転用の問題などが浮き彫りになる。原発がもう必要ないということがわかりますよ。

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