「三笠宮東邸や信子さまが生活する旧長官公邸での生活には、さまざまな支出が伴います。私的に雇用するスタッフには1人あたり年間数百万円の給与が発生します。各宮家の宮務官の口座に振り込まれた皇族費から諸経費を支払えば、ご本人たちの手元に残る金額はギリギリでしょう」

 信子さまは、ご自身に年間1525万円支給されている皇族費を、月額10万円しか受け取っていないと訴え続け、日常の費用は、三笠宮東邸に請求しているという。宮家の事情を知る人物は、今回の「侵入騒動」についてこう話す。

「信子妃殿下としては、『月額10万円では、新しい物品をそろえることができない。自分の荷物を取るために鍵を開けざるを得なかった』と正当性を主張なさっています。ただ、宮内庁としても長年にわたる宮家内の愛憎劇に頭を悩ませているようです」

 母娘の溝が埋まらない原因のひとつに、信子さまがまだ、三笠宮両殿下にご挨拶(あいさつ)ができていないことが挙げられる。

 寛仁さまの逝去後、信子さまの活動は活発となり、13年秋には寛仁親王妃信子の名前で、料理本『思い出の先にはいつも家庭料理』を出版。翌14年からは公務や宮殿行事、園遊会にも元気な姿を見せている。

 彬子さまら三笠宮家は、公務に復帰する前に、三笠宮両殿下へご挨拶をするのが筋である、と考えるが、

「信子妃殿下は『両殿下にお会いしたり宮邸に近づくと、フラッシュバックが起き、ストレス性ぜんそくが再発する』とする医師の見解を前面に出し、いまだ両者の歩み寄りはかないません」(前出の宮内庁幹部)

 もっとも、信子さまは1カ月ほど前に、三笠宮崇仁殿下が入院中の聖路加国際病院を訪ねたが、体調の面から面会はかなわなかった。この一件も、「面会できない状況だとご存じのはず」と三笠宮家側の不信感を募らせるだけとなった。

 本誌は三笠宮東邸の鍵を強制的に開けた理由などを確認したいと、信子さまの代理人を務める弁護士に質問状を送ったが、「お話しすることはできない」と答えるのみ。母娘の愛憎劇に、体調を崩している三笠宮両殿下もさぞかし胸を痛めているに違いない。

週刊朝日 2016年10月21日号