マジックが一桁となり、いよいよ25年ぶりとなる悲願のリーグ優勝が現実味を帯びてきた。広島東洋カープへの想いを込めて、岸田文雄外務大臣がカープ愛を語る。
* * *
広島生まれの父はずーっとカープファンでしたし、小さいころからカープ以外、応援したことがありません。私は高校時代、父が通産省に勤務していたので、東京で暮らしていました。野球部に所属していまして、カープが初優勝した1975年10月15日の巨人戦は、後楽園球場まで応援に行きました。カープはそれまで3年連続最下位。東京でカープファンと言うと、珍しがられました。
現在のカープの帽子は赤色で「C」のマークですが、かつては青色に「H」でした。その野球帽がほしくてね。ですが、東京のスポーツ店では手に入らなかった。そこで、自分で白い生地を切り抜いて、青い帽子に貼り付け、手作りの野球帽を作ったのを記憶しています。
今シーズンはマツダスタジアムで始球式をさせていただきました。ちょうどG7(主要7カ国)外相会合の前でしたので、私の背番号も「G7」。超満員の観客の前で、大変いい思い出になりました。
カープグッズはいろいろと持っています。選手のサインボールはうちにいっぱいありますよ。帽子、メガホン、応援用のカンフーバット……。その中でも宝物はカープ出身で阪神監督の金本知憲さんのサイン入りバットで、自宅に飾ってあります。今ではあまり歌われなくなったカープの応援歌がいっぱい入ったLPレコードも持っていますよ。
3人の息子は広島におりますので、そろってカープファンです。3人の好きな選手は、高橋慶彦さん、前田智徳さん、新井貴浩さん。
いつ優勝するかわからないので、それに合わせてスケジュールを組むわけにいかず、41年前のように、球場で優勝の瞬間には立ち会えそうもありません(笑)。
もう優勝は確信しています。この勢いを持続し、CSを勝ち、ぜひ日本シリーズで日本一に輝いてもらいたい。ファンの願いはもうそこにいっていますから。
※週刊朝日 2016年9月16日号