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リオ五輪特集

メディアバスなどの襲撃、相次ぐ 選手も逃げ出す選手村のお粗末…

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スラム街「ファベーラ」の壁には銃痕が生々しく残っていた (c)朝日新聞社

スラム街「ファベーラ」の壁には銃痕が生々しく残っていた (c)朝日新聞社

 開幕前から治安の悪さやインフラ整備の遅れ、ジカ熱など不安が尽きなかったリオ五輪だが、開幕後も問題は広がりつつある。

 度肝を抜かれたのは、競技会場周辺を走行中の観光客を乗せたバスが乗っ取られ、アハスタオン(「地引き網」の意)と呼ばれる集団強盗事件が発生したことだ。9日には報道陣が利用するメディアバスの窓ガラスが銃撃か投石によって割られる事態まで発生している。現地の報道によれば、そのバスは市北西部のデオドロ地区の会場から市西部の五輪公園に戻る途中だったというが、記者もその前日に女子7人制ラグビーの取材で同地区へ行ったばかりだった。乗っていたカメラマンの話では「はじけるような音が聞こえて、ガラスに銃痕のような痕ができた」ということだから、恐ろしい。

 観光地である海側ではなく、山側に位置するデオドロ地区の周囲にはファベーラと呼ばれるスラム街が広がり、開幕直後には馬術会場でも報道陣のテントに銃弾1発が当たったことが報告されている。各国のテレビクルーが機材を盗まれる事件なども頻発している。

 そして建設が遅れた選手村も「トイレが臭い」「電線が危ない」と悪評が絶えない。当初は豪州代表団が入村を拒否する騒動にまで発展し、選手の一部がメディア・ビレッジなどに一時的に〝疎開〟もしたようだ。メディア・ビレッジとは世界各国から五輪取材に訪れた記者らが滞在する宿舎だが、ここも選手村に負けていない。

 敷地の周りは造成中とみられるむき出しの更地と自然が少々。鶴に似た鳥が飛び「キェーキェー」と鳴いている。各戸には簡易の椅子・テーブルを配したテラスがあり、遠目に建物を見るといかにも富裕な方々が住みそうな佇まいだ。五輪後は高級マンションとして販売するらしいが、お粗末なのは中身だ。入居した初日、案内の女性ボランティアが記者を宿舎のトイレ・シャワー部屋に招き入れた。ガチッと扉を開けたその瞬間、ノブ下の錠前が丸ごと床上にボトリ……。

 そしてトイレを使用後、部屋に戻ろうとしたが「アレ?」。開かないのだ。ノブを何度回そうが開かないので大声で人を呼び、体当たりで開けてもらう……。

 漏水は日常茶飯事。シャワーの際は毎回、お湯が敷居からトイレの周囲にまで広がり、全面水浸しだ。

 米国代表の男女バスケットボールチームは豪華クルーズ客船に最初から避難したが、日本選手団は選手村にむろん滞在中。負けるな、ニッポン!(本誌・小泉耕平、鳴澤 大/栗原正夫、渡辺勘郎)

週刊朝日  2016年8月26日号

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