そこで、紹介を受けて、頭痛専門の治療をおこなう立岡神経内科を訪れた。院長の立岡良久医師から「片頭痛の発作の誘因を自分で見つけてみましょう」と指導を受け、頭痛の程度や月経、日常生活への影響、服薬状況などを毎日記入する、「頭痛日記」をつけるようにした。

「低気圧や台風といった気圧の変化が起こると頭痛が起きることに気付きました。また、平日よりも週末に起こります。頭痛日記をつけて、痛みの傾向がわかってきたので、気分の落ち込みが少なくなりました」(鈴木さん)

 立岡医師は言う。

「片頭痛では、発作のほとんどに誘因があります。月経、ストレス、不規則な睡眠、飲酒、天候の変化、食べ物、空腹などです。まずはこれを知り可能なものは取り除くことで、日常生活を送りやすいように改善できます」

 トリプタンを服用するタイミングも重要だ。適切に服用することで、痛みを最小限に抑えることができる。

 例えば、鈴木さんの場合は、頭痛の「前兆」が出て治まったのちに痛みがひどくなる。そこで、前兆が出ていったん消えたタイミングでトリプタンを飲むように立岡医師から指導を受けた。

「前兆は、突然、目の前にギラギラとした吹き出しのようなものがチラチラと見えることがあります。コピー機の音がキーキーとうるさく聞こえるなど、周囲の音に過敏になります。それが10分ほど続き、治まったタイミングで薬を飲むと、しばらくして痛みが起きても、吐き気がするほどは悪化しません」(鈴木さん)

 片頭痛では胃腸の働きが悪くなるケースも多く、吐き気やおう吐につながることもある。そのため、ドンペリドンなどの制吐薬などを服用することもある。

週刊朝日 2016年7月8日号より抜粋