「人材の面でハンディがある慶大は、猛練習して精神面を鍛えねばならない」

 鈴木主将は学業にも力を入れ、AO入試で慶大に入学した。苦しさを乗り越えてきたメンタルの強さが、同大選手の共通点だという。「試合で思いもかけない状況に陥ったとき、そうした経験が生きてくる。僕らはパニックにならないです」。

 相手の足元に低く刺さる“魂のタックル”の輝きは健在だ。慶大ラグビー部からは60人の日本代表選手が生まれている。

 サッカー対決はどうか。今シーズンの早大・新井純平主将、慶大・宮地元貴主将は親友にしてライバルだ。関東大学選抜では、チームメートとしてともにディフェンスラインを統率する。早大の新井主将は、

「慶應は去年のレギュラーが4人しか抜けないので、脅威になってくるでしょう。負ける訳にいきませんね」

 と、昨季の王者の意地を見せる。早大サッカー部(正式名・ア式蹴球部)はスポーツ推薦枠で毎年2人、全国から選りすぐりの選手を獲得している。浦和レッズユース出身の逸材、新井主将もスポーツ推薦枠だ。このほかにも、競技実績と小論文、面接で選抜する自己推薦制度では5~8人が入学。

 対する慶大。11年度の関東大学サッカーリーグでは、3位と健闘したが、以降はやや苦戦か。宮地主将は、「入学以来、早慶戦では全敗。リーグでも1回しか勝てていません。今年こそ、勝ってやると思っています」と捲土重来を期す。宮地主将は、AO入試で慶大に入学した。同部は毎年10人程度が「AO入試組」で、チーム内で存在感を発揮しているという。

週刊朝日 2016年4月1日号より抜粋