北原みのり「ありがとう、五郎丸!!」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「ありがとう、五郎丸!!」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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北原みのりさんが近所の書店で見たものとは?(※イメージ)

北原みのりさんが近所の書店で見たものとは?(※イメージ)

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏はラグビー日本代表の五郎丸歩選手が登場するCMに感動したという。

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 最近は書店に行かず、ネットで本を買うのが習慣になってしまっている。新しい作家との出会いを求めて書店で過ごすようなことを久しぶりにしたくて、近所の書店に立ち寄った。

 ……で、びっくりしました。都内のフツーの本屋です。実用書や話題の本を中心に並べる街の本屋です。そこで私は見てしまいました。エロ漫画のコーナーに、オナホ(男性向けのマスターベーショングッズ)が置かれていたのを。

 その時の私の複雑な感情を何と表現すればいいでしょう。経営者がアダルトグッズに手を出さざるを得ないほど、書店に通う人が少ないのか!?という自戒の念。岩波文庫とVOGUEの間に、エロ漫画とオナホが置かれていることのシュール。でも何よりも驚愕したのは、そのナチュラルさでした。それはまるで、鉛筆を買うなら消しゴム必要ですよね、ケータイ買うなら充電器必要ですよね、エロ漫画買うならオナホ必要ですよね!とでもいうさりげなさで、世界広しと言えど一般書店でエロ漫画(しかも幼い女の子に欲情する)とオナホが並んで売られているのは、日本だけではないでしょうか。男性のエロに寛容で、過保護で、節操なくどこででもサービス可能な日本社会ならでは。

 こういう社会で女たちは片目をつむるのが上手くなるな、と思う。私などは驚きのあまりオナホの前に立ちすくんでしまったけれど、フツーは「目に入らないように」振る舞う女性が圧倒的だろう。ポルノチックな映像や文言が街中でフツーに目に入る社会で、「男の人は男の人だから仕方ない」と諦めるのは生き抜くための一つの技だから。


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