長く続いたり、再発したりする場合は、注意が必要
長く続いたり、再発したりする場合は、注意が必要

 子どもの中耳炎は、多くの場合自然に治るが、治らないまま放置すると難聴になり、言語やコミュニケーション、学習などの発達が遅れる可能性がある。中耳炎が長く続いたり、再発したりする場合は、注意が必要だ。

 ほとんどの子どもが小学校に上がるまでに発症するとされる中耳炎。鼓膜の奥にある中耳が炎症を起こした状態で、代表的なものに急性と滲出性(しんしゅつせい)の二つがある。

 急性中耳炎は、鼻の細菌やウイルスが鼻の奥から中耳につながっている耳管(じかん)を通って中耳に入り、炎症を引き起こす。このため風邪を引いたときに、のどや鼻の炎症に続いて起こることが多い。

 子どもの耳管は大人に比べて太くて短く、角度が水平に近いため、細菌やウイルスが中耳に侵入しやすい。ずきずきするような激しい耳の痛みがあるが、痛みを訴えられない乳児は機嫌が悪くなってぐずったり、しきりに耳に手をやったりする。

 一方、痛みのない中耳炎が滲出性中耳炎だ。痛みや発熱などの急性炎症症状はないが、中耳に膿などの貯留液がある状態で、急性中耳炎が十分に治りきらずに滲出性中耳炎に移行する場合も多い。1歳までに50%以上、2歳までに60%以上がかかり、就学前には約90%の子どもがかかる。

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