事実婚ゆえの障害とは?(※イメージ)
事実婚ゆえの障害とは?(※イメージ)

 おひとりさまが社会問題化される一方、パートナーを求める高齢者が増えている。婚姻届を出さない事実婚も多いが、そこには様々な障害があるという。

 中高年専門の結婚情報サービス「茜会」の社長、川上喜彦さんによれば、60歳以上の会員は51%(2015年)。高齢化のなか、熟年層の婚活相談は着々と増えている。

「とくに、婚姻届を出さない事実婚や通い婚でのパートナー探しが増えています。今の高齢者は肉体的にも精神的にも若く、80代まで会員さんがいます。でも生活ができあがり、孫もいる世代になると届けを出す難しさもあるのです」

 若いときと違い、誰かに急かされることはない。子供を作るための結婚でもない。だからこそ「納得できる相手をじっくり選んでほしい」と川上さんは話す。

 夫婦問題研究家で、再婚・結婚相談所AZCOブライダルサロンを主宰する岡野あつこさんも、「熟年層は入籍を意識しないで付き合うカップルが多い」と話す。

「人生の最後に好きな人と付き合えたら理想的。でも子供側は焦ります。親の再婚でもめるのはまずお金、そして家ですね。財産だけでなく居場所や昔の思い出がなくなることに焦燥感を感じる人もいるでしょう」

 岡野さんの知人が、こんな体験をしている。

「おじいさんが、おばあさんの死後にある女性を好きになった。その女性のためにおじいさんはおいしそうなお菓子をいつも用意して。ところが里帰りしたお母さんが『食わせるもんか』とお菓子を平らげて(笑)、意地悪して、長続きしなかったそうです」

 嫁にいっても同性同士、娘としてのやきもちもあったのかもしれない。「受け入れるには時間と当人の努力も必要だ」と岡野さんは言う。

 岡野さんのサロンでは実際に、見合い後3カ月の交際を経て“真剣交際”が1~2カ月続けば、籍を入れなくても成婚退会となる。

 とはいえ、事実婚にはお墓に入れないなど問題も多い。

次のページ