たけしならば「足立区のたけし、世界の北野」というように、自らつまずいて嬉々(きき)として水に転落するビートたけしの顔と、独自なカラーを持つ映画監督・北野武の顔がある。「映画は撮りません」と言っていたダウンタウンの松本人志も何本も映画を作り、髪を金色にしてマッチョな身体づくりに励むようになるなんて、誰が想像しただろうか。

 時代の空気を嗅ぎわける芸人という職業だからこそ、変化は必然なのかもしれないけれど、明石家さんまは変わらない。止まらない女癖、止まらないしゃべり。唯一、(大竹)しのぶ期に、笑いの元気が失われた印象があるけれど(しのぶの引力の方が強かった?)、還暦を迎えた現在でもメタモルフォーゼしないお笑いモンスター。ただし、新ネタ「建築関係トントントン」は当たらないと思います。

週刊朝日 2015年12月11日号