早稲田実業の清宮幸太郎君 (c)朝日新聞社 @@写禁
早稲田実業の清宮幸太郎君 (c)朝日新聞社 @@写禁

 夏の甲子園100周年にあたる今年は開会式で第1回大会に出場した高校野球のルーツ校とも言うべき10校の現役部員が復刻ユニホームを着て登場。その中の一校で全国区の人気を誇る早稲田実業のOB・王貞治さんが始球式をする。

 その早実の後輩たちは5年ぶりの出場を見事に決めたが、「持っている」と注目度ナンバーワンなのは1年生ながら3番・ファースト、主軸として西東京大会で活躍した清宮幸太郎内野手(16)だ。

「PL学園の“KK”こと桑田・清原、横浜高校の松坂、早実の斎藤“佑ちゃん”……時代を超えて語り継がれるスーパースターは甲子園でもほんの一握りですが、幸太郎君がその候補であることは間違いないですね」(スポーツ紙デスク)

 そんな幸太郎君が初めてわれわれの前に現れたのは、3年前。リトルリーグの世界大会で投手兼4番の二刀流として大活躍し、その時点で身長が180センチを超えていたスーパー中学1年生……それが、あのラグビーの清宮克幸氏の長男だと聞いて驚いたものだ。自身も日本代表入りした名選手で、監督としても行く先々でチームを日本一に導く名伯楽の息子が、なぜ野球?

 小学校のころはラグビーも野球も、ほかにもいろいろなスポーツをやっていた幸太郎君。お父さんとしては、やはりラグビーをさせたかったらしい。しかし、野球をやりたがる息子を見て「そんなにやりたいならやらせるが、やるならナンバーワンにならなきゃダメだ。他の選手たちの中で埋もれるくらいならやめさせる」と認めたという。ベテラン記者はこう解説する。

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