「たしかに、私もサウナで口呼吸をすると苦しく感じることがあります。気管支の粘膜が敏感になり、温度差に反応しやすくなっているのかもしれません。そういうときは、ゆっくり鼻呼吸をするのがおすすめです。あるいは、濡れタオルを口元にあてて乾燥を防ぐ。ただし、高湿度の熱気を吸い込み続けることになりかねないので、あまり長く続けないほうがいいでしょう」(大谷医師)

 中高年にとって注意すべき点もあるが、サウナにはさまざまな健康効果がある。なんと言っても、あの爽快感は魅力だ。

「正しく入りさえすれば、中高年の方でも安全にサウナを楽しめます。水分補給をすることと、長く入りすぎないことがポイントです」(若林さん)

 記者がサウナで出会った81歳女性は、病状が改善したのでその日久しぶりに大好きなサウナに来たのだという。

「やっぱり気持ちいいねえ」

 その顔は熱気で紅潮し、ほころんでいた。サウナを長く楽しむため、読者諸氏もぜひ下のリストを参考に、無理のない入り方を実践していただきたい。

■サウナ入浴時の注意点
×高血圧の人の長時間高温浴
×生活習慣病(糖尿病、脳卒中、心臓病、高血圧など)の人の温冷交代浴
×飲酒・泥酔状態での入浴
△満腹状態での入浴(消化器官に集中すべき血液が分散する)
△入浴後に一気に冷水に飛び込む(心臓に負担がかかる)
△入浴後に水分をとらずに飲酒する(脱水状態になりやすい)

(ライター・伊藤あゆみ)

週刊朝日  2014年8月22日号より抜粋