生徒の希望を最優先にしながら、教員がさまざまな可能性を検討し、各教科の教員の意見などを担任が生徒にフィードバックする。夏休みと12月には三者面談を実施する。

「12月の三者面談で、予想どおりにセンター試験の点数がとれたときの志望校、思うようにとれなかったときの志望校を決めておくため、2次の出願をスムーズに行えます」(松尾教諭)

 きめ細かな指導が生んだ、高い現役進学率なのだ。

 東大のトップ10はすべて中高一貫校だった。

 東大の現役進学率は、筑波大附駒場(東京)が50%と断トツ。卒業生の半分が現役で東大に進むのだから驚きだ。同校は国公立大の現役進学率も58%と高い。

「もともと基礎学力が高い生徒が入学していますが、本校では11月の文化祭など高3の秋も行事に力を入れています。日々、忙しい中、学校の授業や下校後の学習に集中して取り組んでいることがこの数字につながったのだと思います」(進路指導主事の山田忠弘教諭)

◆現役進学率トップ10

<国公立大学>
順位 学校(所在地) 現役進学率 卒業生数 現役進学者数 現役合格者数
1  諫早(長崎)      73.2%   272     199     211
2  砺波(富山)      67.9%   196     133     151
3  松山西(愛媛)     67.5%   154     104     108
4  倉敷青陵(岡山)   67.4%   276     186     204
5  長崎東(長崎)     65.8%   278     183     205
6  横手(秋田)      65.8%   231     152     157
7  花巻北(岩手)     63.2%   234     148     169
8  米沢興譲館(山形) 62.9%   194     122     133
9  尾道北(広島)     62.8%   199     125     143
10 一宮西(愛知)     61.8%   317     196     203

<東京大学>
順位  学校(所在地)     現役進学率 卒業生数 現役進学者数 現役合格者数
1 ◇ 筑波大附駒場(東京)  50.0%   162     81      82
2 ◯ 灘(兵庫)          34.5%   220     76      76
3 ◯ 栄光学園(神奈川)    26.4%   178     47      47
4 ◯ 開成(東京)         25.9%   398     103     104
5 ◯ 駒場東邦(東京)     25.1%   231     58      59
6 ◯ 桜蔭(東京)         23.9%   230     55      56
7 ◯ 聖光学院(神奈川)    23.8%   239     57      57
8 ◯ 麻布(東京)         16.9%   295     50      50
9 ◯ 東大寺学園(奈良)    11.6%   216     25      26
10 ◯ 久留米大附設(福岡)  11.3%   203     23      23

[表の見方]◇=国立、◯=私立、無印は公立を表す。現役進学率は、現役進学者数を卒業生数で割った数字。算出には、通信制・定時制を除く全日制の卒業生数を使用した。同率で順位が異なるのは小数点2位以下の差による。
協力・大学通信

週刊朝日  2014年7月4日号より抜粋