津田大介が「福島第一原発観光地化計画」に期待する理由 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介が「福島第一原発観光地化計画」に期待する理由

連載「ウェブの見方 紙の味方」

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 発生から3年以上が経過した東日本大震災。ジャーナリストである津田大介氏(40)は、東北だけでなく日本経済の復活のカギについて、こう力説する。

*  *  *
 東北は数年後、力強く復活しているでしょう。

 私は月1、2回ほどのペースで被災地に赴きますが、壮絶な体験を乗り越えた人の強い覚悟や信念にいつも勇気づけられています。漁業を再開しようと尽力する人たちもいるし、新たな地域産業をつくろうと動きだした人たちもいます。ある地域の子どもの偏差値は震災以降、上がりはじめたそうです。

 東北は「自分の力で復活させなければ」という強い意志を持った人たち、「パワーピープル」が集まる地域になってきているのです。

 そんな人たちを後押しするのがウェブでしょう。自分たちのプロジェクトの宣伝に使えるだけでなく、外部で復興を手助けしたいと思っている人とつながり、具体的なアイデアやノウハウを得られるからです。もし、事業開始のための資金が足りない場合はクラウドファンディングがあります。

 これは、ネット経由で人や組織に資金協力や寄付などを呼びかけるもの。私も使ったことがあります。チェルノブイリ原発の実情を知ろうと総勢9人で視察旅行を計画したものの、資金が足りませんでした。そこで、クラウドファンディングで資金の提供を呼びかけたところ、600万円が集まったのです。

 そのときの経験が「福島第一原発観光地化計画」構想につながりました。チェルノブイリ原発は事故を風化させないためにツアー客を受け入れています。福島でも旧警戒区域でツアーを始めている現地の方々がいます。これを応用して福島第一原発も広島の原爆ドームのように事故跡地を保存し、整備して観光地化してはどうかと考えています。

 この計画が東京五輪までに実現すれば、東京に来た世界中の人が東北に足を運ぶでしょう。そのころには、パワーピープルがウェブを活用してもっと自由に事業を展開し、観光地化との相乗効果で経済的にも自立した地域になっているかもしれません。

 もしかしたら、復活どころか、日本経済を牽引する希望の地域になっているかも――。そんな期待も抱いています。

週刊朝日  2014年5月9・16日号


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津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)

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