12月4日に公示され、幕を開ける衆院選。「泥船から逃げ出せ」と民主党では離党が相次ぎ、自公の候補は与党の座に舌なめずり。第三極の動きも活発化している。しかし、選挙が終わったあと、政界はどう動くのか。政治評論家の森田実氏と時事通信社解説委員の田崎史郎氏が分析する。

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田崎:選挙後ですが、予測どおり自公で過半数を確保すれば、来夏の参院選までは自公政権でいくでしょう。参院選で維新がそれなりに議席を取り、自公と合わせれば参院のねじれが解消されるようなら、「自公維」の連立が考えられます。そうすれば、安倍晋三総裁(58)の悲願である憲法改正に動き出すこともできる。参院選で維新が伸びなければ、「自公民」もあり得るでしょうね。

森田:私は、野田佳彦首相(55)か前原誠司国家戦略相(50)を中心とする「右派民主党」が、自民や維新と組む可能性もあると見ています。橋下(徹・43)さんと前原さんは水面下で会談を重ねていますから。その場合は「超右派政権」となり、憲法9条改正に反対の公明は、連立から外されるかもしれません。

田崎:来夏の参院選が終われば、その後は3年ほど国政選挙がない可能性が高い。衆参のねじれが解消できなかったとしても、与野党はしっかり議論して政治を進めていかなくてはいけません。その道筋は野田政権がつけたと思います。

森田:投開票まで20日間弱。日本の方向性を決める重大な時期になります。ロシア革命を描いたノンフィクションの古典的名著「世界を震撼させた十日間」ではありませんが、日本を震撼させる20日間になるかもしれません。

週刊朝日 2012年12月7日号