天皇陛下が福島除染視察に込めた思いは日本を動かすか? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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天皇陛下が福島除染視察に込めた思いは日本を動かすか?

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 天皇、皇后両陛下が10月13日に福島県川内村を訪問し、福島第一原発事故の除染作業を視察する予定であることがわかった。

 川内村は春から役場や小中学校を元の場所で再開した。遠藤雄幸村長によると、9月14日前後に、宮内庁から福島県に「両陛下が川内村の住民や職員、除染の作業員を励ましたいと希望している」と、連絡があったという。

 川内村の汚染レベルは福島原発に隣接する市町村の中では低く、視察場所に予定されている村役場付近も0.2マイクロシーベルトと低線量、作業員は防護服をつけず除染しているという。

 気になるのは、報道のタイミングだ。野田政権は2030年代の原発ゼロを柱とする新戦略を14日に固めたが、19日には実質的に閣議決定を見送った。

 未発表の両陛下の視察希望が宮内庁関係者の情報としてメディアにスクープされたのが翌20日。時系列を見ると、何か意図があるようにも感じてしまう。

 というのも、天皇陛下は、国土の汚染に対して以前から強い関心を示しているのだ。皇太子時代の1969年の記者会見では、自身と公害問題との向き合い方についてこう述べている。

〈憲法上、直接の警告、指導はできないが、人に会う機会が多いので、そのつど問題を質問形式で取り上げ、(問題点に)気付いてもらうようつとめています〉

 どのような気持ちで視察を決心したのかは想像するしかないが、少なくとも、両陛下が除染の現場に足を運ぶことで、放射能による人々の苦しみがまだ続いている現状は、日本人、そして世界中の人々にも伝わるはずである。

週刊朝日 2012年10月5日号


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