足の親指が小指側に曲がる外反母趾。重症化すると痛みで歩行困難になることもあり、手術が必要になる場合もあるという。そうなる前の予防策を、「足のトラブルと整形外科フットケア外来」を開設し、『外反母趾FAQ 予防・治療の実践ガイド』の著書もある岡崎南病院整形外科部長の柴田義守医師に聞いた。

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 外反母趾は長期間にわたる治療・予防が必要なので、靴や室内履きの選び方、はき方を含め生活習慣を変えることが大切です。

 外反母趾痛のほとんどが、母趾の付け根に靴が当たることが原因です。当たる部分がソフトな素材の靴などに替えれば、痛みが出にくくなります。また、足に合った靴を正しくはけば、外反母趾変形や開帳足(かいちょうそく=中足骨が横に広がった足)が改善して母趾の付け根の突出が少なくなり、痛みも改善します。

 先の細い靴やハイヒール、スリッパなどは変形を悪化させるので、できるだけ避けます。普通の形の靴下やストッキングも、はくと足先がすぼめられるため、外反母趾変形を強くします。5本指靴下や足袋(たび)のような形の2本指靴下、鼻緒付きの履物は外反母趾の改善や予防に有効なので、これらを多く用いるようにします。

※週刊朝日 2012年6月29日号