そうですね。例年、東松島の春は、周辺の地域よりも少し遅れてやってくる傾向があるようです。だからこそ、周辺の桜が終わった後に、まだ桜が見られる地域としてこの地をもっと多くの方に知っていただき、訪れていただきたいと感じています。そして私たちは、いつかこの復興記念桜の開花予想をすることが夢です。

―お手入れの方法について、悩まれていることはありますか?

齋藤区長:「これまで通り、年に数回草取りをおこなってきました。これまではあまり手をかけずとも育ってくれていましたが、シダレザクラの様子が少し気がかりです。これまでとは手入れの方法を変える必要があるのかな、とも感じています。」
確かに、メイヨシノと比べるてやや遅れをとっているシダレザクラのようすが少し心配です。いったいどのような手入れをするのが良いのか・・・何しろ初めての取り組みのため、移行錯誤しながら進むしかありません。
いろいろと調べてみた結果、新たなお手入れの方法としては、開花前と開花後の年に2回、肥料を上げることを検討しています。

齋藤様、地区のみなさん、本当にありがとうございます!また一年よろしくお願いいたします。

満開のソメイヨシノの前で(2016年4月17日)
満開のソメイヨシノの前で(2016年4月17日)

●めざせ!東松島の二大桜名所に

復興記念桜が植えられている場所は海岸から2.5kmほど離れていますが、5年前、この目の前の道路まで津浪が到達しました。そんな桜の目の前の景色は、今では穏やかな生活が戻りはじめ、畑では草木や野菜たちが芽吹き始めています。そんな前へ前へと進む地区の皆さまの姿こそが、復興記念桜にとってきっと一番の栄養でしょう。一年一年、訪れるたびに、地区のみなさんの笑顔が増えてきていることを、とても嬉しく思います。
その後私たちは、復興記念桜が植えられている崖の上にある『滝山公園』を訪れました。ここは”千本桜”と称される桜の名所で、見下ろした桜の先には太平洋や、時にブルーインパルスの練習を見ることができます。またこの場所には、東日本大震災の慰霊碑も建っています。あれから5年、忘れてはいけない記憶と未来への希望とともに、今、この地は、復興のシンボルとなっています。

この桜たちは昭和42年からの49年間、ずっとこの地で東松島の人たちとともに生活をし、毎年春を告げてきました。復興記念桜も何十年後には、この滝山公園の桜のようにたくさんの人々が集い、笑う場所になってほしい願っています。『めざせ!東松島の二大桜名所』を目指して、また1年、桜が健康的に過ごせるよう努めていきたいと思います。

東日本大震災から5年がたち、復興記念桜もまもなく5年を迎えます。これからも地区のみなさまのお力と、応援してくださる方のエールとともに頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

”千本桜”と称される桜の名所・東松島市滝山公園の桜(2016年4月17日)
”千本桜”と称される桜の名所・東松島市滝山公園の桜(2016年4月17日)