きょう金曜日は、日本気象協会の独自情報「桜の開花・満開予想」の最新版発表日です。あちこちに小さな春を見かけるようになりましたが、桜が咲いてこそですね。

花咲く春を待つ

こちらは、みちのく宮城県南部を流れる白石川河畔です。
県内でも有数の桜の名所。
柴田町から隣りの大河原町にかけて、
堤防に沿って歩くと、晴天の日には遠くに蔵王連峰を望むことができます。
山頂付近の雪の白と空の青、そして桜色のコントラストです。
堤防沿いの桜並木は「一目千本桜」
見た目にも「満開」の日の画像ですが、
ところで「開花とか満開とか」
その定義はなんでしょう。
仙台市内に「仙台管区気象台」がありますので
その標本木で説明します。
はじめに開花です。

開花の頃(仙台管区気象台構内)
開花の頃(仙台管区気象台構内)

開花の定義とは

つぼみが膨らんでいますが、
このうち、5~6輪咲いた状態を開花日といいます。
この段階で見た目はほとんどつぼみですが、
ぱっと淡いピンク色が目立つときです。
3分咲き、5分咲きを通り越して
次は「満開」です。

満開の頃(仙台管区気象台構内) 
満開の頃(仙台管区気象台構内) 

満開の定義とは

これだけで見事です。
仙台の桜の開花は、この太いソメイヨシノが基準(標本)になっています。
見た目には満開ですが、
満開日は「標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日」という定義があります。
つまり、まだ2割くらいはこれから咲くということです。
基準は「標本」です。

標準木ではなく標本木
標準木ではなく標本木

標準ではなく標本

少しややこしいのですが
上の画像でご覧いただいたソメイヨシノは
正式には「植物生物観測用標本」と呼ばれます。
なんだか理科の実験のようにも思えますが、
同じ木を長年観測しているからこそ
「平年より早い・遅い」とか「昨年より早い・遅い」と
正確に言い表すことができるのです。
全国の気象台には
構内にソメイヨシノがないことがあるため
他の場所で観測することがあります。
東京では、靖国神社境内に標本木が定められています。
花開く、花吹雪、花筏・・などの季節は
もうすぐそこです。