ワタミ会長渡邉美樹氏 禁断の「不倫」騒動(3)
「ドコモとソフトバンクのサーバーは、最初に『ハンドシェイク』と呼ばれる接触をし、互いのドメインやIPアドレスが本物らしいことを確かめてから初めて通信に入る。このメールを偽造するには、IPアドレスを偽装する必要があるのです」 それは、かなり高度な技術を要することだという。 「つまり、インターネット上でドコモサーバーになりすまし、ソフトバンクのコンピューターをだますことが必要になる。それは、大規模なネットワークハッキングであり、国の一大事業レベルと言っていい。メールヘッダーの入手経緯とあわせて考えれば、偽造は99・99%の下にいくつも9がつくほど不可能なことです。何万歩も譲って、一時的にドコモのIPアドレスが偽装されたとすれば、同じIPアドレスを持つコンピューターがネット上で複数存在する異常事態となり、携帯メールが届かないなど大規模な通信障害が起きるはず。これまた大事件ですよ」 念のため、一連のメールの送信時期に何かしらの通信障害が起きていないか尋ねると、 「その時期に、特段のトラブルは確認していません」(NTTドコモ広報) とのことだった。 本誌は4月13日、ワタミ社長室長で郁文館夢学園の広報担当理事も務める中川直洋氏に、これらの取材結果を伝え、15日にはメールヘッダーのコピーも提供した。その上で中川氏に、渡邉氏の発言の信憑性について問うと、 「ワタミの技術者は偽造できると言っている。メールについて自分で調べて対応する」 と言う。本誌は、その後も1週間以上にわたって電話やメールで繰り返し返答を求めた。その間に中川氏が主張したのは、こんな事柄だ。 「女性からの携帯メール(1通)にパソコンで使う署名クレジットが入っているのは不自然。おかしい」 「Kは『透視できる』と言っていたから、IPアドレスも透視したのかも」 「携帯を他人に操作された可能性だってある」 「技術に(偽造できるような)革新があると信じてる」 「もう弁護士マターだ。弁護士にコメントしないよう指示された。メールヘッダーについても、もう何もコメントすることはない」 そして締め切り間際の23日になって、中川氏はメールで以下のように答えてきた。 「携帯電話のメールの偽造はできると認識しています。(本誌の主張に対し)ITにおいて100%はないというのが当方の主張であり、不正操作については『絶対』の断定はできないと考えています」 「(本誌が見せたメールのプリントアウトの一つについて)学校関係者から送られたK氏へのメールが、個人の携帯電話から送られていたにも関わらず、学校の署名(学校名、住所、電話番号が入ったもの)を送るという極めて不自然なメールだった。そんなメールまで証拠として提示しているのであって、これらの状況から、当方としては、偽装の可能性を全面的に排除しているという週刊朝日の姿勢に問題があると考えています」 渡邉氏は常々、会社や学校で「ウソをつかず、誠実であれ」と教えてきたことをアピールしてきた。だが、自分自身はどうなのか。 冒頭の文書は、 〈どうか無用のご心配なきよう、心よりお願い申し上げます〉 と締めくくられている。それならば、堂々と偽造を証明すべきではないか。 週刊朝日
週刊朝日
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