ニムロッド 第160回芥川賞を受賞した上田岳弘の『ニムロッド』は、人類の哀しい行く末を予感させる。欲望にしたがってないものを創り出すために、新たな技術を生みだし、システムを広げ、知識を重ね、そしてまた新たな欲望に突き動かされて今ここにないものを開発し続けてきた人類は、これからどうなるのか? ベストセラー解読 2/21 週刊朝日
エスタブリッシュメント EU離脱を決めたものの、にっちもさっちもいかない英国。だが、あの国はもっと深刻な問題を抱えている。一部の超富裕層による富と権力の独占である。 ベストセラー解読 2/14 週刊朝日
宝島 戦後から1972年までの沖縄史を描く真藤順丈の直木賞受賞作、『宝島』。語り部はこの島の地霊で、時おり複数の声を交えながら、米国統治下にあった沖縄の実状を発火しそうな熱量で物語る。 ベストセラー解読 2/6 週刊朝日
定年後の断捨離 ぼくは昨年の5月に還暦を迎えた。老眼と白内障が進んだり、とっさに人の名前が出てこなかったり、トイレが近くなったり。トシをとったなあ、と思うことが増えた。これからますます老化が進むだろう。元気なうちに片づけなければ、と本と書類でいっぱいの仕事場を見て思う。 ベストセラー解読 1/31 週刊朝日
空をゆく巨人 蔡國強(ツァイグオチャン)は火薬を使った作品で知られる現代美術家。北京オリンピック開会式で打ち上げられた《歴史の足跡》を覚えている人も多いだろう。いまはニューヨークを拠点に活躍する蔡だが、福島県いわき市の人びとと縁が深い。川内有緒『空をゆく巨人』は30年にわたる両者の関係を描き、第16回開高健ノンフィクション賞を受賞した。 ベストセラー解読読書 1/17 週刊朝日
平成くん、さようなら 1989年1月8日。平成がはじまったその日に生まれ、平成(ひとなり)と名づけられて育ち、東日本大震災後に単行本化した卒業論文で注目され、今では時代を象徴する文化人としてメディアで活躍する「平成くん」。彼は徹底した合理主義者で性行為も好まないのだが、それを承知で同棲している瀬戸愛に対し、2018年のある日突然、平成の終わりとともに安楽死をしたいと告げる。 ベストセラー解読 12/12 週刊朝日
すいません、ほぼ日の経営。 ゴーン前日産会長の強欲ぶりにはあきれた。すでに大金持ちなのに、さらにあの手この手でカネを得ようなんて。あそこまで金銭欲に取り憑かれると、むしろ不気味だ。あのカネも自動車の値段に含まれているのか。 ベストセラー解読 12/6 週刊朝日
昭和の怪物 七つの謎 もうすぐ終わろうとしている平成がどういう時代だったか? すでに一部では総括めいた議論がはじまっているが、日米安保問題や北方領土問題に象徴されるように、「昭和の戦争」の影がつきまとった30年だったと言えるだろう。 ベストセラー解読 11/28 週刊朝日
ダンデライオン 過去を振り返り、あのときこうしておけば、と後悔することはたくさんある。たとえば、原発なんてつくらせるんじゃなかったとか、戦争なんか始めるんじゃなかったとか。こうなると知っていたら、あんな選択はしなかったのに。歴史を学ぶ意味は、後悔することにあるのかもしれない。 ベストセラー解読 11/21 週刊朝日
ある男 死んだ夫が別人だった──単なる偽名ではなく、戸籍を持った「実在の他人」になりすましていたと知った妻は、旧知の弁護士・城戸に相談。城戸は、多忙な業務の合間をぬうようにこの謎と向きあい、他人に化して死んでいった男の正体を明らかにしていく。 ベストセラー解読 11/14 週刊朝日
語り継ぐこの国のかたち 安倍政権は、憲法を変えるためなら、なりふりかまわぬようだ。もはや何かのために憲法を変えるというより、改憲そのものが自己目的化している。ほかにやるべきことはたくさんあるのに。 ベストセラー解読 11/7 週刊朝日
日本が売られる 「グローバル経済」という言葉をよく耳にするようになったのは1990年代だった。国境を超えて利益のみを追求するグローバル企業が跋扈(ばっこ)し、彼らは自国はもとより市場になると見こんだ国の法律にまで圧力をかけてきた。この20余年、「規制緩和」や「市場開放」なる美名の下に日本に起きた変化の裏側にも、外国の企業や政府の欲望がべったりと貼りついている。堤未果の『日本が売られる』を読むと、その実態がよくわかる。 ベストセラー解読 10/31 週刊朝日
AIと憲法 トヨタがソフトバンクと「戦略的提携」を発表した。大株主となっているau=KDDIを差し置いてのことだから驚いた。これからの自動車はAIなしでは考えられない、ということなのか。 ベストセラー解読 10/24 週刊朝日
地球星人 『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した村田沙耶香の最新作『地球星人』の主人公・奈月(なつき)は、<私は、人間を作る工場の中で暮らしている>と考える小学5年生。自分の子宮は工場の部品で、いつか、同じように部品である誰かの精巣と連結して子どもを製造するのだと理解しているのだが、どうしても違和感がつきまとう。自分は魔法少女で、大好きないとこの由宇(ゆう)は宇宙人だから、地球星人たちに無理やり違う誰かと<つがい>にされてしまう……それは嫌だ。 ベストセラー解読 10/19 週刊朝日
みえるとかみえないとか 伊藤亜紗の『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書)はすごく刺激的な本だ。触覚や聴覚、嗅覚など、視覚以外の情報を巧みに使うことで世界(つまり、ものごと)を把握する人びと。それはすばらしく創造的で、目が見える人よりも見えることがたくさんある。 ベストセラー解読 10/10 週刊朝日
友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える 10年前に刊行された菅野仁『友だち幻想』は、副題にあるとおり、「人と人のつながりを考える」良著として少しずつ読み継がれてきた。しかし、昨年あたりから各メディアで再注目され、今年の4月に又吉直樹がテレビ番組で紹介した直後、大ブレイクした。 ベストセラー解読 10/3 週刊朝日
送り火 芥川賞を受賞した高橋弘希の『送り火』の主人公・歩は、父親の転勤とともに転校をくり返してきた。そして、中学3年生への進級時、東京から津軽の山間部にある小さな学校に転入する。 ベストセラー解読 9/19 週刊朝日
NEW 中山美穂さん主演映画「Love Letter」公開30周年にリバイバル上映 「何度も見た」ファンを魅了し続ける理由 中山美穂さんミポリンLoveLetter30周年記念岩井俊二豊川悦司 1時間前