

崔 真淑
エコノミスト
プロフィール
エコノミスト。2008年に神戸大学経済学部(計量経済学専攻)を卒業。16年に一橋大学大学院にてMBA in Financeを取得。18年より同大学の博士後期課程に在籍。研究分野はコーポレートファイナンス。新卒後に、「経済のスペシャリストの世界に触れたい」と、大和証券SMBC金融証券研究所(現:大和証券)に入社。アナリストとして資本市場分析に携わる。当時最年少の女性アナリストとして、NHKなどの主要メディアで経済解説者に抜擢される。債券トレーダーを経験したのち、日本の経済リテラシー向上に貢献したいとの思いから2012年に独立。経済学を軸に、経済ニュース解説、経済・資本市場分析を得意とするエコノミスト・コンサルタントとして活動。
崔 真淑の記事一覧




ゴールドはなぜ急騰しているのか 外資金融機関の“預言者”が予想した「多極化する世界の到来」で起きること 崔真淑
投資の基本はリスク分散であり、景気や地政学リスクに対して反応の違う資産を組み合わせることが重要です。そのため、我が家では家族それぞれで保有している資産が重ならないように、資産運用のための家族会議を開催することがあります。その際、私は家族にゴールド(金)投資の可能性について話をすることがあります。家族からは「紙幣は、共同幻想で成り立つ紙切れと批判したいのはわかる。でもゴールドだって同じじゃないか! しかも、ゴールドなんて金利がつかない!」と批判されます(笑)。そして、これがまさにゴールド投資に否定的な人の代表的な意見でもあります。今回は金利がつかない、でも伝統的にリスク分散のためにゴールド投資が行われてきた背景について考察していきます。


「国策に売り無し」日経平均最高値も東証REIT指数が安値更新の意味 不動産購入の見極めは? 崔真淑
日経平均が4万円をつけて浮かれムードも出てきましたが、実は株式市場では不気味な動きも起きています。株式市場における相場格言に、「国策に売りなし」という言葉があります。これは、株式市場に大きく影響する財政政策・金融政策という国策が積極的に行われたら株は上がりやすく、逆ならばどんな好業績企業の株でも下がりやすいということを示しています。特に注目されているのが、日本の金利動向を決める日本銀行が、金融緩和を縮小するかどうかです。具体的には、ゼロ金利政策の解除、長期金利の更なる上昇を認めるとなれば、お金を調達するためのコスト=金利が上昇し、株式市場に流入する資金が減り、日経平均だけでなく、株式市場全体で下落が強まる可能性があるということです。そして、この日銀の動きを予見してか、金利上昇への懸念が高まると下落しやすい、東証REIT指数という株価指数が、日経平均とは対照的に今年3月に昨年来安値を更新しているのです。

