「番号フェチ」著者の新書『番号は謎』 国道の付番に欠番、チャンネルの飛び番
週刊朝日『番号は謎』(佐藤健太郎著、新潮新書・780円)の書評をお届けする。* * * われわれの身のまわりには、実にさまざまな「番号」が飛び交っている。電話番号、郵便番号を始め、車のナンバープレート、駅のホーム番号、プロ野球やサッカーの選手の背番号もあれば、「交響曲第○番」などの例もある。はたまた「八...
『番号は謎』(佐藤健太郎著、新潮新書・780円)の書評をお届けする。* * * われわれの身のまわりには、実にさまざまな「番号」が飛び交っている。電話番号、郵便番号を始め、車のナンバープレート、駅のホーム番号、プロ野球やサッカーの選手の背番号もあれば、「交響曲第○番」などの例もある。はたまた「八...
社会学者が現代日本の骨組みを「母と息子」の関係を通して分析した。有名な書籍や著者自身の育児体験などを引きながら、ユニークな論を展開する。 日本女性は男社会の中で冷遇されてきた。打ち砕かれた活躍の夢は産後、愛息子に託される。しかし難しいのが、彼女たちが息子を庇護したくなってしまうところ。この重苦しい...
とかく、マインドフルネスはわかりにくい。何冊読んでも理解できない、という方も多いのではないだろうか。しかし、あれだけアメリカでブームになっているのだ。ぜひ、その効果を実感してみたい。それなら、近道がある。「パーフェクトな入門書」。これが、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が本書に贈った賛辞だ。著...
首相会見や官房長官会見での記者の追及不足、フリー記者の排除など、政府とメディアの関係の実態を朝日新聞記者が伝える。 新型コロナの感染が拡大するなか、そのリスクを伝える安倍首相(当時)の会見が、官邸記者クラブと質問を事前調整したうえでの、プロンプターを使った「朗読会」だったことが指摘される。「森友・...
カフェでアルバイトをする主人公・千春は、ある日、お客さんが店に忘れた文庫本を手にとる。高校を中退し、夢中になれるものがなかった千春だが、なぜかその本が気になり、読んでみたいと思う。そして書店へ行き、本を買い、カフェのお客さんと会話を交わし、千春の人生は少しずつ動き始める。 表題作をはじめ、本書には...
2017年6月に決定版の全集が完結し、未発表の資料がなくなったのを機に、文豪<谷崎潤一郎>誕生の道筋を跡づけたいとの思いで本書を書きはじめたという著者。それが期せずして谷崎の「性慾史」の記述となり、予想もしていなかった書名に結びついてしまったという。それも道理で、第1作『刺青』から晩年の『鍵』『瘋...
現在、立憲民主党に所属する小沢一郎衆院議員を元朝日新聞記者がインタビューし、この30年の日本政治の表と裏を描き出した。 小沢氏は27歳で国会議員に初当選し、47歳で自民党幹事長に就任。その後、統治システムを官僚支配から政治主導に変える「政治改革」をめざして自民党を離党。中心的存在として非自民の細川...
東京・新橋といえば、「サラリーマンの街」の代表格としてしばしばテレビニュースの街頭インタビューでも取り上げられる場所だが、実際にはとてもそのひとことでは表しきれない複雑な来歴と背景を持つ街でもある。それを象徴するのが、線路を挟んで東西の駅前に立つ新橋駅前ビルとニュー新橋ビルだ。 15年ほど前から新...
20歳のときに発症した著者が「潰瘍性大腸炎」とは、どのような難病かを綴った体験エッセイ集。著者は『絶望名人カフカの人生論』などのカフカ研究で知られる文学紹介者で、絶望的になってしまう日常をあえて克明に記述している。 この難病は血便を伴う下痢の反復で、治まることはあっても再燃を繰り返し、原因がわから...
ブルシット・ジョブという言葉は、著者であるデヴィッド・グレーバーが、役立たないにもかかわらず、それを自覚して従事する仕事について名付けたものだ。 本書ではブルーカラーの職業は世の中に対し貢献度は高いが、給料が低いなど冷遇される状況だと伝えている。いっぽう会議で図表やグラフを駆使しプレゼンするような...