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2016年8月度のギャラクシー賞 テレビ部門には下記の各番組が選ばれました。

* * *
●はに丸ジャーナル
「リオ五輪直前スペシャル」
8月3日放送/20:15~20:45/日本放送協会 NHKエデュケーショナル

●「時をかける少女」
7月9日方8月6日放送/21:00~21:45/日本テレビ放送網 日テレアックスオン

●NHKスペシャル
「ある文民警官の死
~カンボジアPKO 23年目の告白~」
8月13日放送/21:00~21:45/日本放送協会

●報道の魂SP
「米軍が最も恐れた男
~あなたはカメジローを知っていますか?~」
8月21日放送/25:00~26:00/TBSテレビ

【8月の月評会報告】さまざまな視点から戦争を捉え直す

 終戦から71年の今年8月は、さまざまな視点から戦争を捉え直したドキュメンタリーが目立った。NHKスペシャル枠に限っても、ある村の村長が残した日記をもとに満蒙開拓団を“送り出した側”にフォーカスした「村人は満州へ送られた~“国策”71年目の真実~」や、トルーマンが原爆投下を決定したという定説を覆す「決断なき原爆投下」。1945―46年の1年間に沖縄で何が起きていたのかを追った「沖縄 空白の1年~“基地の島”はこうして生まれた~」等々。

 月間賞に選ばれたのは、報道の魂SP「米軍が最も恐れた男」(TBSテレビ)。“あなたはカメジローを知っていますか?”というサブタイトル通り、戦後、占領下の沖縄で県民たちの先頭に立って米軍の圧政に対峙した政治家・瀬長亀次郎に焦点をあてて沖縄の戦後史を浮き彫りにした意欲作だ。またポツダム宣言受諾後、連合国との交渉使節団の派遣に使われた緑十字機を取り上げたザ・スクープスペシャル「緑十字機 決死の飛行〜誰も知らない“空白の7日間”〜」(テレビ朝日)に関しては福島委員が私評で触れている。

 ドキュメンタリーからは、PKO活動中に殉職した警察官の死の真相に迫ったNHKスペシャル「ある文民警察官の死〜カンボジアPKO 23年目の告白〜」も多くの委員の評価を得て月間賞に選ばれた。また現在進行形の事件報道に関して、8月8日放送の「ハートネットTV」(NHK Eテレ)における障害者施設殺傷事件の緊急特集や、8月24日放送の「NEWS23」(TBSテレビ)内での大分県警の内部映像スクープなどについて活発な議論が交わされた。特に後者については藤田委員の私評をGALACでお読みいただきたい。

 ドラマの月間賞は「時をかける少女」(日本テレビ)。若干物足りないという意見もあったが、恋愛の瑞々しさがうまく表現されていた。夏休みドラマ「キッドナップ・ツアー」(NHK)も、月間賞は逃したものの妻夫木聡の情けない父親役をはじめとした演者たちの好演、心地よい映像と音楽などが高評価。また「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」での波瑠の演技にも注目が集まった。

 バラエティ・その他からは、選手を襲う「プレッシャー」の正体と撃退法に、はに丸が通常通り空気を読まずに斬り込んだ、はに丸ジャーナル「リオ五輪直前スペシャル」が月間賞に。博とさくらがゆかりの地を巡る「寅さん 鉄道ふれあい旅」や、柄本佑が渥美清の若かりし日を演じたドキュメンタリードラマ「おかしな男」(ともにNHK BSプレミアム)など、渥美清の没後20年にちなんだ番組も好評だった。(岩根彰子)