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2016年4月度のギャラクシー賞 テレビ部門には下記の各番組が選ばれました。
 なお「第53回ギャラクシー賞」の受賞作につきましては放送批評懇談会のホームページをご覧ください。

* * *
ドラマW「この町の命に」
4月2日 21:00~23:00/WOWOW、テレビ朝日映像

●SWITCHインタビュー 達人達(たち) 
「渡辺謙×山中伸弥」
4月9日、16日22:00~23:00/日本放送協会、NHKエデュケーショナル、ネツゲン

●ハートネットTV
「緊急報告・地震(1) 障害者・高齢者は今」
「緊急報告・熊本地震(2) どう支える被災地の要支援者」
4月18日、19日20:00~20:30/日本放送協会

●報道特集
「ハンセン病 隔離された法廷と司法の責任」
4月23日/17:30~18:50/TBSテレビ

【4月の月評会報告】―地震報道は続く―

 3月の“東日本大震災から5年”で、各局が関連番組を競っていた間もあらばこそ、4月は更に熊本・大分の地震に、報道番組が揺さぶられる毎日が続く。しかも余震か続震かの判定も不明で、茨城・千葉などにも及ぶという地震報道については河野委員の私評をお読みいただきたいが、鴨長明の言う「すべて世の中のありにくく、我が身と梄とのはかなく、あだなるさま、またかくのごとし」(方丈記)の感を深くする。

 この地震をいち早く特集したのは、NHK Eテレの「ハートネットTV」だ。「緊急報告・熊本地震」のサブタイトルで4月18日から始まった意欲的取り組みについては、岡田委員の選評をお読みいただきたい。

 今月は社会的弱者に言及する番組が多かった。5月1日が水俣病公式認定から60年だったし、ハンセン病を危険扱いにした閉鎖裁判や、患者たちがいかに痛めつけられてきたかを映像で見せた「報道特集」(TBSテレビ)については水島委員の論評をどうぞ。NHKスペシャル「しのび寄る“老後破産”」は、高齢者が突然、無収入の息子と同居せざるを得なくなったりする最近の親子関係・社会保障の問題など、今後拡がっていくであろう主題についてさらなる継続取材が望まれる。

 春の連続ドラマがほぼ出揃った。大石静脚本の「コントレール」(NHK)、黒木華活躍の「重版出来!」(TBSテレビ)、クドカン久々登場の「ゆとりですがなにか」(日本テレビ)などいずれも話題を呼びそうだが、今月は動物愛護センターを静かにみつめるドラマ「この街の命に」(WOWOW)が入賞。滝野委員の熱い推薦の弁をお読みください。

 NHKの「SWITCHインタビュー 達人達」は毎回、多彩な有名人を選んで異種交流の妙味を楽しませてくれるが、4月は「渡辺謙×山中伸弥」が絶品。渡辺の俳優論も力ある直球だったが、オモシロ研究者の舞台裏を語った山中教授が群を抜く新鮮さ、とは出田委員の推薦の弁である。

 4月から「報道ステーション」(テレビ朝日)、「NEWS23」(TBSテレビ)という民放の二大看板ニュース番組がともに衣替えした。「報ステ」の富川悠太キャスターは素直で慎重な滑り出しだったが、解説には古舘調の鋭さを欠くとの声がしきりだった。他方、星浩キャスターは、本人も新聞紙上で述懐していたように、当初、自分の見え方に自意識過剰気味だったが、今は自然体に落ち着いた。

 NHKの長寿番組「歌謡コンサート」が得体の知れぬ「うたコン」なる題名に衣替え。昭和歌謡の行方はどこへ? 各委員の私評はGALACでご覧ください。(藤久ミネ)