書評『チェロと私と牧羊犬と』八月長安著/納村公子訳 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

チェロと私と牧羊犬と 八月長安著/納村公子訳

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石原さくら書評#話題の新刊

チェロと私と牧羊犬と

八月長安著/納村公子訳

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 本書の著者紹介には中国の青春文学の旗手とある。1987年生まれ、北京大学卒業の才媛。中国版ツイッターともいえるウェイボーのフォロワーは100万人超の人気作家だ。日本語の情報がなかなか見つからないのだが、おそらく今作が初の邦訳。自身の生い立ちを中心に語ったエッセイ集である。

 一読して感じたのは、青春の苦みや甘酸っぱさが純度高く描かれているということだ。女友達との微妙な距離感、優等生でいることの息苦しさがつぶやくように吐露され、読むうちにしぜんと著者への共感が湧く。翻訳ゆえなのか、話の筋のところどころにわかりにくさがあるが、著者の繊細な感性ですくいとった記憶の断片はどれも切なく、さらりと書かれた「心細やかな人は長生きできない」というフレーズが印象的だった。

週刊朝日  2018年2月2日号


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