書評『キラキラネームの大研究』伊東ひとみ著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

キラキラネームの大研究 伊東ひとみ著

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江田晃一書評#話題の新刊

キラキラネームの大研究

伊東ひとみ著

978-4106106187
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「澄海(すかい)」「在波(あるふぁ)」「心愛(ここあ)」。これまでの漢字のとらえ方では読むのが難しい「キラキラネーム」が日本に溢れている。「親のモラルが低下した」「日本語が崩壊する」との指摘も多い。
 明治期にも「紅玉子(るびこ)」「元素(はじめ)」など難解な名前は少なくない。難しい字面は日本語が和名に漢字を当てはめて磨き上げてきた言語だけに、古代からの宿命であった。キラキラネームが先祖返りしたと見る向きもあるようだが、著者は断層を指摘する。難解な漢字が近代化の弊害になっているとの主張が明治期に広まり、戦後、漢字の制限が進んだことが転換点になったという。字源や字義への関心は失われ、漢字軽視の文化が半世紀熟成された結果、響きと字面だけのキラキラネームが大繁殖する。外国人が好む漢字の変なタトゥーを笑えないとの指摘はもっともである。
 嘆いてばかりでも仕方がない。本書では難読なキラキラネームを読む法則をいくつか紹介している。現状を憂いつつも、不思議と読めてくる。
週刊朝日 2015年6月12日号


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