新婚生活の拠点となると見られるニューヨーク。写真は五番街 (c)朝日新聞社
新婚生活の拠点となると見られるニューヨーク。写真は五番街 (c)朝日新聞社

 民間の生活になれない元皇族女性を狙った事件が続いたことから、清子さんのように、警視庁が目立たない形で護衛を続ける例もあるようだ。

 では、外国で暮らす場合はどうなるのか。

「日本の警察が外国で、武器を携帯して元プリンセスを守ることはできません。現地の大使館には、警察庁の人間も書記官などの身分で出向していますが、こちらも同様です。犯罪などから守ってくれるのは、現地の警察ですが、たいした護衛は期待できないでしょう」

 そう話すのは外交官として大使などの要職を歴任した人物だ。

「どの国の中央政府も、国内に滞在する政治要人や元ロイヤルを含むロイヤルメンバー、皇室メンバーのリストを把握している。眞子さまにNY市警などの警備をつけたければ日本政府が米国の連邦政府などを通じて眞子さまの警備をお願いし、さらに米国政府が応じることが前提になる。米国が応じなければ、眞子さまと小室さんの自宅周辺を、ときおり警察が巡回する程度でしょう」

 世界中を見渡せば、王室の親族も含めるとロイヤルに連なる人間は、意外に多い。

 一夫多妻制の国の王子や王女は、それこそ何千人もいるなどと言われる。ましてやNYは、留学やビジネスをふくめて、ロイヤルに連なる肩書を持つ人間が集まる場所でもある。

 一方でNYは、新型コロナウイルスの影響で未曾有の不況下にあるうえに、治安も悪化している。

「NY市警も、アジアの元プリンセスに手厚い警護を行い続けるだけの体力もないでしょう。ましてや欧米の国民は、税金の使い道にシビアです」(先の元外交官)

 参考になるのは、へンリー王子とメーガン妃の例だろう。

 ヘンリー王子夫妻は、離脱前の2019年冬からカナダのバンクーバー島にある海岸沿いの邸宅を生活拠点としていた。
 カナダは英連邦の加盟国。カナダ騎馬警察(RCMP、連邦警察)は、ロンドン警視庁の要請を受けて国際条約に基づき夫妻の警護を提供してきた。

 カナダ国民は夫妻を歓迎したが、滞在が長引くにつれ、世論調査では夫妻の警護費用に税金を投入すべきではないとの声が77%にまで高まり出した。

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ヘンリ―王子夫妻、カナダに滞在2カ月で432万の警備費用