(c)朝日新聞社
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 眞子さまと小室圭さんが年内に結婚し、米国のニューヨーク(以下はNY)を拠点に生活する見通しであることが報じられた。
 
 海の向こうで、ふたりはどのような生活を送るのか。治安がよいとはいえないNY生活で、関心を集めているのが警備の問題だ。NY現地の警備で高額の費用が拠出されるといった記事もあるが、大使経験者らに現地の事情を聞くと、手厚い庇護をうけた「甘い生活」とは行かないようだ。

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 眞子さまら皇室メンバーは、つねに皇宮警察や管轄の警察の警備に守られた生活を送ってきた。眞子さまも公務中はもちろん、学校や職場、私的なお出かけの間も護衛がついているわけだ。

 結婚して民間人になれば、理屈のうえでは皇宮警察や警視庁の警護対象者から外れる。護衛や生活などを国費でまかなうことはなくなり、自分たちで生活するのが基本だ。

 とはいえ、内親王ともなれば、そう単純でもない。たとえば上皇ご夫妻の長女、黒田清子さん(紀宮さま)は、民間人となって数年の間は、スーパーで買い物をしている最中も女性の警察官がそばにつきそっていた。

 というのも皇室の外に出た元皇族女性が犯罪に巻き込まれる事件が、過去に起きているからだ。

 昭和天皇の三女・鷹司和子さん(孝宮)は、摂政や関白を務めた五摂家のひとつ、鷹司家の平通さんと結婚した。戦後初めての女性皇族の結婚であり、華族制度の廃止によって「平民への初の嫁入り」と騒がれた。だが、1966年には平通さんが銀座のママの自宅でガス中毒死する。そして2年後、和子さんは強盗に遭う。自宅の台所に包丁を持った男が侵入。口をふさがれ、けがを負ったが、自力で玄関まで逃げた。娘の境遇をふびんに思った昭和天皇のはからいで、赤坂御用地内の古い木造平屋の乳人官舎に移り住み、伊勢神宮の祭主を務めながらひっそりと暮らした。 

 昭和天皇の五女の島津貴子さん(清宮)も、犯罪に巻き込まれかけている。1960年に結婚したのち、1カ月ほどで警護は解かれた。だが3年後に5000万円の身代金を計画した島津貴子さんの誘拐未遂事件が発覚して大騒ぎになった。

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「現地の警察は、ときおり自宅を巡回する程度」と元大使