■早稲田よりも「自由」なイメージ?

 この10年で大きな変化を経験した青山学院大。その影響がランキングにも如実に表れているが、「自由」という項目についてはどのように考えればよいのだろう。小林さんは、青山学院大の公式YouTubeチャンネルに注目する。

 17年に開設された「青学TV」は「大学からの自由な知の発信」を掲げる。大学のYouTubeは広報が管理するものが多いなか、学生スタッフとともに運営されているのが特徴だ。アップロード動画には、青山キャンパスで巨大ウォールアートの製作を依頼した香取慎吾さんへのインタビューや、箱根駅伝の選手・監督の報告会などが並ぶ。

「昔は専ら『おしゃれな青学』というイメージでしたが、駅伝で努力しているというストーリーも相まって、自由で明るく、親しみやすいといったイメージが浸透しました。学生がYouTubeチャンネル運営に関わる昨今の動きもその一端にあるかもしれません」

 こうした自由で活気があるイメージを、早稲田に感じる人も多いかもしれない。

「16年の首都圏私立大の定員厳格化以降、難関大の入試はこれまで以上に難化しました。さらに、政治経済学部の入試での数学の必須化など、近年の早稲田は楽しく遊び学ぶというよりも、教育を重点化するほうにシフトしています」

 高校生のイメージは今後どう変化するのか、注目したい。(白石圭)

◎ランキングの見方
「進学ブランド力調査2021」(リクルート進学総研調べ)。調査方法は以下の通り。
【調査対象】関東エリア(東京、千葉、埼玉、神奈川、茨城、栃木、群馬)、東海エリア、関西エリアの高校に通っている、2022年3月卒業予定者(調査時高校3年生)、計12万人。
【有効回答数】1万2271人、回収率10.2%。
【調査期間】21年4月2~30日。
【調査方法】対象者に調査票を郵送し、記入後、郵送で回収。
【調査対象校】調査対象エリア内にキャンパスが存在する全大学およびその他2エリアの国立大学すべてと、公立・私立大学の入学定員1000人以上の大学。関東エリア313校(自エリア248校、他エリア65校)。

AERAムック『就職力で選ぶ大学2022』より